抄録
立体映像の分析を容易にする目的で、映像フレームの主観的な立体感を代表する視差統計量を主観評価実験を通じて明らかにする。異なる視差分布を持つ14フレームを呈示刺激に用いた実験から、立体感はフレーム内の視差分布に依存することが示され、分布に応じて統計量を選択する必要が示唆された。具体的には、1ピーク構成の場合、近さの感覚(飛び出し感)には最小値および95パーセンタイル値と5パーセンタイル値の差分がよい指標となることがわかった(負の視差が交差方向)。多ピーク構成の場合、最大値および95パーセンタイル値が指標となりえることが示された。