筆者らは,スーパーハイビジョン(SHV)用ワイヤレスカメラの実現を目指し,ミリ波帯を利用した400Mbps級の大容量伝送技術の検討を進めている.これまでに開発してきた2×4 MIMO (Multiple-Input Multiple-Output)-QPSK (Quadrature Phase Shift Keying)の100Mbps級ワイヤレスカメラをベースに,変調方式をQPSKから16QAM (Quadrature Amplitude Modulation)や256QAMにした場合,MIMO方式を2×4から4×4にした場合,周波数帯域幅を現在のハーフモードから2倍となるフルモードにした場合について,伝送レートを整理した.その中からSHVワイヤレスカメラに必要な伝送レートが達成可能なシステムの候補を選定し,計算機シミュレーションによって各候補の所要C/N(搬送波対雑音電力比)の算出と伝送マージンの比較を行った.その結果,フルモードの4×4 MIMo-QPSKが最も所要C/Nが低く,現行システムからの伝送マージンの劣化を約4.9dBに抑えて,4倍の伝送レートを達成できる見込みを得た.