抄録
本論文では,対象とする人物の顔特徴に応じて描画スタイルや誇張方法を変化させる似顔絵画家の描画手法をコンピュータによる似顔絵生成に適用することを目的とする.似顔絵画家により描かれた似顔絵の顔部品形状や配置に対して主成分分析を行い,似顔絵画家の描画手法の特徴を数値的に取り扱えるようにする.また人の顔認知の仕組みや似顔絵画家のテクニックを考慮することにより,従来手法に比べ本人の雰囲気を残したまま,より効果的に本人の特徴を誇張した似顔絵を生成できるようにする.提案手法により作成した似顔絵を従来手法と比較することにより,提案手法の有用性を示す.