抄録
独自組成の酸化物材料とそのインクを開発しTFTを作製した。半導体層にはドープ型の酸化物半導体を、ゲート絶縁膜にはhigh-k酸化物絶縁体を、保護層にはバリア性のある酸化物絶縁体を用い、これらの層を全てインクの塗布と焼成によって形成した。パターニングは標準的なフォトリソプロセスにより行った。得られたTFTの電界効果移動度は11.3 cm2/Vsであり、真空成膜の酸化物TFTと同等の性能を得た。また、優れた信頼性を示し、バイアスストレス試験におけるVthシフトは60℃ 10^5秒の条件で0.2V以下と極めて小さかった。これらの結果により、独自開発した酸化物材料と塗布プロセスの優位性を示した。