筆者らはロードレース中継などで用いられる移動中継用FPUの大容量化に向けて,変動する伝搬路の状況に応じて送信ビームや変調方式を動的に変更する4×4の適応送信制御 MIMO技術の開発に取り組んでいる.ロードレース中継を想定した時変動チャネルモデルにおいて,提案方式の伝送特性を計算機シミュレーションにより評価し,移動中継に用いられてきたARIB STD-B33のSISO方式やSTD-B57のSTTC-MIMO方式の伝送特性との比較を行った.その結果,提案方式は従来方式と同等の S/Nが得られる条件において,伝送レートを約1.5倍に拡大できる見込みを得たので報告する.