1988 年 13 巻 2 号 p. 129-136
マウス頭蓋骨を用い, in vitro で骨片より増殖してきた骨由来の細胞について, dexamethasoneとindomethacinの骨由来細胞に対する影響についてautoradiographyを用いて検討した。まず, 骨片周囲の細胞についてalkaline phosphatase活性と電顕的観察により, 骨原性(osteogenic progenitor cells)の強い細胞集団の領域を確認してから実験を開始した。
骨由来の細胞の3H-thymidineの取り込みは, dexamethasoneにより促進されるがgeneration timeへの影響はみられなかった。 Indomethacin処理群の3H-thymidineの取り込みは各実験期間ともに増減がみられず, またgeneration timeには遅延的に作用することから, DNAへの3H-thymidineの取り込みに対しては抑制的に作用していると思われた。一方, 有意差はみられなかったが, 3H-prolineの取り込みについては対照群と比較してdexamethasone群では6~10時間後に増加がみられたが, indomethacin群では遅れて10~24時間後に増加する傾向がみられた。