2008 年 2 巻 p. 51-61
国指定伊豆沼鳥獣保護区特別保護地区において,両生類の生息状況と環境利用を調査した. 2006年の5月,7月,9月に調査を行ない,ニホンアマガエル,ニホンアカガエル,トウキョウダルマガエル,シュレーゲルアオガエル,ウシガエル(特定外来生物)のカエル類5種を確認した.ウシガエルを除く4種は水田を繁殖場所として利用していたが,非繁殖期には,ニホンアマガエルは水田の他に湿地林や草地などの環境も利用していた.ニホンアカガエルは水田と湿地林でよく見られた.シュレーゲルアオガエルは,非繁殖期である7月には樹林や湿地林で見られたが,9月には確認されなかった.トウキョウダルマガエルは調査地域内で最も個体数が多く,調査期間を通してほとんどが水田で見つかり,他種に比べ水田への依存度が高いことが示された.ウシガエルは沼や水路などの水場に多く見られた.伊豆沼鳥獣保護区特別保護地区内の陸域の多くは水田であるが,ここに生息するカエル類は多様な環境を利用していたことが示された.