伊豆沼・内沼の流入河川で魚類調査を行なった.魚類はその分布パターンから,3グループに分類された.3つのグループのうち,Aグループは,上流側に分布した種のグループであり,スナヤツメやギバチなど河川上流域を好む魚種を含む6種で構成されていた.Bグループは下流側に分布したオオクチバスとヌマチチブの2種で構成されていた.Cグループはトウヨシノボリやドジョウなど河川に広く分布した4種で構成されていた.魚類の出現種数は上流側で多い傾向を示した.上流域に生息するAグループの方が下流域に生息するBグループよりも種数が多く,結果的に流入河川の上流域で出現魚種数が多くなる傾向を示したと考えた.一般に,下流域ほど河川規模が大きく環境収容力が増加するため,生息する魚種数が増加すると考えられている.流入河川で逆の傾向を示した理由として,15年前に行なわれた魚類調査との比較から,少なくとも河川環境の悪化とオオクチバスの増加による下流域での魚種数の減少が考えられた.これらの結果から,人為的影響は伊豆沼・内沼の流入河川における魚類の分布に影響し,いくつかの魚種の生息域を人為的影響の小さい上流域に狭めていると考えた.