抄録
本論文では,東証1部上場の電気機器メーカーA社の主力工場(X工場と呼ぶ)において収集された品質コストデータに基づいて実施した品質コスト・ビヘイビア分析の結果を提示した上で,日本企業の品質管理のもとでの品質コスト・ビヘイビアについて検討を加える。分析の結果,分析期間とした1992年度から1999年度のうち,1992年度から1994年度までは,予防コストおよび評価コストと失敗コストを同時に改善することが可能であるとするTQMモデルがある程度妥当しているが,それ以降の期間においては,古典的モデルで想定されているトレード・オフ関係,もしくはいずれの品質コストも増加するという関係がみられることが明らかになった。