会計プログレス
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日本市場における財務諸表監査の経済的機能に関する検証
佐久間 義浩
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2008 年 2008 巻 9 号 p. 39-60

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抄録
 本稿の目的は,投資家と企業との間にある情報の非対称性について,財務諸表監査がシグナルとして機能しているかを解明することである。その際,IPO市場,とりわけ新興市場に焦点をあて,情報の非対称性をあらわす代理変数として初期収益率を用い,この変数に影響を及ぼすと考えられる要因を重回帰式にモデル化し実証分析を行った。さらに,監査人が発する情報(限定意見と追記情報)の違いが,どのように初期収益率に影響を与えるか検証した。その結果,財務諸表監査によるシグナリングが市場に対し,情報の非対称性を縮小させる効果があることがわかった。また,限定意見と追記情報の市場に対する影響について,限定意見は負の関係が,逆に追記情報は正の関係が示された。くわえて,監査人からの情報は,IPO直前期において強く有意な結果となった。
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© 2008 日本会計研究学会
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