抄録
米国連邦政府における業績予算は,技術的な困難さと関係者間の利害対立のもとで,どのように実践されてきたのか。GPRAという1つの法律が業績予算の起点ではあったが,業績予算は法律の規定にある形では実現しなかった。業績予算は,業績情報を整備するというGPRAによってもたらされたもう一方の実践のなかから形成されていき,それはPARTという形に結実した。しかし,PARTもまた,実践をつうじてさらなる見直しが続けられている。業績予算をめぐる一連の実践のなかで,GAO,OMB,各省庁という当事者たちはときに反発し,ときに協力しあいながら,業績予算を浸透させつつある。