抄録
本論文では,早稲田大学創造理工学部における,情報教育を中核とした初年次教育(FYE)プログラムである創造理工リテラシーの取り組みについて説明する.本プログラムは,次の4つの特徴がある.1つ目は,学部新入生全員が同時に本プログラムを履修することで全員に同一の教育内容を提供することである.2つ目は,情報リテラシー教育を取り入れることである.3つ目は,アクティブラーニングを積極的に取り入れることである.4つ目は,専門領域(情報科学など)への導入と様々な最先端の研究に触れる機会を与えることである.学生授業アンケートの結果から,本プログラムが,概ねFYEとして有効に機能していることを確認した.今後の課題として,高校において既に高大接続の授業を経験してきた新入生への対応やスマホネイティブ世代の現状に合わせた情報リテラシー教育の必要性が見出された.