会計プログレス
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提携型ポイントプログラム会計の実証分析
中村 亮介大雄 智岡田 幸彦
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2012 年 2012 巻 13 号 p. 73-85

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抄録

 近年,“ポイント”の重要性が社会的・経済的に増してきており,かつ独立型ポイントプログラムによる競争から提携型ポイントプログラムによる競争へと進展しているにもかかわらず,ポイントに関する会計制度はこの現状に必ずしも対応していない。そこで本論文では,日本で代表的な提携型ポイントプログラムを運営している3 社を,資料およびインタビューにより調査し,多様な提携型ポイントプログラムとそれらの会計処理の実態との関係を検証した。その結果,調査した3 社では,ポイントを通じたビジネスモデルに違いがあり,それに応じて会計処理が異なることがわかった。このことは,提携型ポイントプログラムに関する会計基準が未整備である中で,各々の企業がそれぞれのビジネスモデルにあわせて会計処理を工夫していることを意味する。仮に日本におけるポイントプログラム会計が会計処理の一本化を迫られるとすると,調査した3 社に限っていえば,いずれかの企業の取引実態がみえにくくなるという弊害が生じる可能性がある。

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© 2012 日本会計研究学会
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