日本救急医学会関東地方会雑誌
Online ISSN : 2434-2580
Print ISSN : 0287-301X
原著論文
急性期病棟における救急看護実践能力向上のための教育計画の検討
迫田 典子池田 尚人大西 真裕
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2018 年 39 巻 2 号 p. 246-250

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抄録

心肺蘇生法 (cardiopulmonary resuscitation ; CPR) の経験が少ない急性期病棟看護師の救急看護実践能力向上のための教育計画を検討した。教育計画導入前の看護師24名のクリニカルラダー (clinical ladder ; CL) 構成は, CL I 4名, CL II 15名, CL III 5名, 導入1年後には, CL I 1名, CL II 14名, CL III 9名となった。年間の教育計画は, まず病棟内の教育担当者がCLごとに作成した。次に支援体制は, 病棟内の看護師を2グループに分け支援者と被支援者を決定し, 被支援者の教育計画の進捗状況について毎月1回確認して評価および修正を行った。救急看護の知識・技術の向上と維持のためすべての看護師がCPRと救急看護の研修に参加した。また病棟内の教育担当者が主体となり, 急変時の対応について月1回のカンファレンスの実施と急変時対応時には当日または数日以内にデブリーフィングの実施により実施内容の振り返りを行った。これらの取り組みがCLラダーの向上に影響していたと考えられる。今後の課題は, CL別の教育計画の継続, CPRの質の維持・向上のための定期的な講習会の受講, 支援体制の強化には看護師間の連携が必要である。

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