2018 年 39 巻 2 号 p. 251-254
【はじめに】小児院外心停止は予後不良な疾患である。小児院外心停止後の神経学的予後不良を判断する既存の2基準を用いて, 小児院外心停止90日後の神経学的転帰不良の判断精度を検証した。【方法】日本救急医学会多施設共同院外心停止レジストリの登録データ (134,951例) のうち18歳未満の小児例を対象にした後方視的検証を行った。神経学的予後不良の判断項目は, 基準1 : バイスタンダーの目撃なし, かつ病院到着前の心拍再開なし, 基準2 : バイスタンダーの目撃なし, かつ心電図波形が心静止, である。【結果】小児院外心停止例は319例。2基準の感度/特異度/陽性的中率/陰性的中率は, 基準1 (55.3%/100%/100%/6.6%), 基準2 (39.2%/100%/100%/5.1%) であった。【考察】小児の院外心停止に対する予後判断基準の臨床応用には, TOR基準の是非も含めた追加の検証が不可欠である。