日本救急医学会関東地方会雑誌
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症例報告
ナツメグ中毒の1例
藤綱 隆太朗白川 和宏石田 径子井上 聡鳥海 聡金子 翔太郎土屋 光正宮嶌 和宏三吉 貴大植松 敬子金尾 邦生春成 学竹村 成秀進藤 健塩島 裕樹荘司 清齋藤 豊田熊 清継
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2018 年 39 巻 2 号 p. 285-287

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抄録

ナツメグは香辛料としてハンバーグなどの肉料理に用いられ, わが国でも容易に入手可能である。欧米では急性中毒を起こす原因物質として一般的に知られており, 死亡例も報告されている。米国の報告では自殺目的の大量摂取のほか, 意図せずにナツメグ中毒となっている例も半数以上を占めている。しかしわが国では症例報告は少なく, 中毒の原因としてはあまり知られていない。

本症例は香辛料としてナツメグ10gを摂取した。その後, 浮遊感, 動悸などが出現, 不穏となった。自身でインターネット検索し, ナツメグ中毒の症状と合致することに気づき, 救急要請した。来院時, 不安感と口渇感を訴え, 興奮気味であったが, 安静にて経過観察を行い, 症状は改善した。

本症例は患者自らのナツメグ摂取の申告により診断に至ったが, 本人の自覚なくナツメグ中毒に至る症例もあると思われる。そのため, 急性の精神異常を呈した症例では原因中毒物質として鑑別にあげる必要があると考える。

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