日本救急医学会関東地方会雑誌
Online ISSN : 2434-2580
Print ISSN : 0287-301X
症例報告
ナツメグ中毒の1例
藤綱 隆太朗, 白川 和宏, 石田 径子, 井上 聡, 鳥海 聡, 金子 翔太郎, 土屋 光正, 宮嶌 和宏, 三吉 貴大, 植松 敬子, 金尾 邦生, 春成 学, 竹村 成秀, 進藤 健, 塩島 裕樹, 荘司 清, 齋藤 豊, 田熊 清継
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2018 年 39 巻 2 号 p. 285-287

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抄録

ナツメグは香辛料としてハンバーグなどの肉料理に用いられ, わが国でも容易に入手可能である。欧米では急性中毒を起こす原因物質として一般的に知られており, 死亡例も報告されている。米国の報告では自殺目的の大量摂取のほか, 意図せずにナツメグ中毒となっている例も半数以上を占めている。しかしわが国では症例報告は少なく, 中毒の原因としてはあまり知られていない。

本症例は香辛料としてナツメグ10gを摂取した。その後, 浮遊感, 動悸などが出現, 不穏となった。自身でインターネット検索し, ナツメグ中毒の症状と合致することに気づき, 救急要請した。来院時, 不安感と口渇感を訴え, 興奮気味であったが, 安静にて経過観察を行い, 症状は改善した。

本症例は患者自らのナツメグ摂取の申告により診断に至ったが, 本人の自覚なくナツメグ中毒に至る症例もあると思われる。そのため, 急性の精神異常を呈した症例では原因中毒物質として鑑別にあげる必要があると考える。

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