抄録
本研究は遺児へのグリーフケア活動における初参加のボランティア(V)体験に注目し、Vの振り返
り記録をデータとして検討を行ったものである。M-GTAを用いて分析を行い、その結果6 のカテゴリーと
13の概念が生成された。参加前には遺児との関わりに対して【具体性無き気がかり】を抱いており、これ
は死というスティグマが影響するとともに事前研修によっても強化された可能性が考えられた。しかし実
際に関わることで【リアリティある遺児イメージの獲得】に至り、【「子ども」という存在との出会い】に
も至った。また【専門性不足による戸惑い】といった困難感を抱いていたが、非専門家であることが遺児
に効果的に機能したのではないかとも考察された。そして【先輩VSのサポート】も得ながら、遺児との相
互作用によって【新しい自分の発見】にも至ったが、広義には遺児の真なる姿との出会いも新しい自己の
発見であったと言えるだろう。