抄録
本研究は、福祉教育実践における学校、社協の変化を整理し、社協はどのように学校における福 祉教育を支援していくのか、α市社協福祉教育推進会議へのインタビュー調査結果から検討した。そ して、協同実践の前提となる「志や目標」を確認し、社協が支援として実施する福祉教育の期待と課 題を考察した。
新しい福祉教育においては、福祉教育推進プラットフォームという福祉教育体制、新たな福祉教育に対応した支援、協同実践の「志や目標」となる学習者への教育内容と方法において期待と課題が導 出された。そして、「志や目標」の変化に応じた福祉教育実践の問い直しの必要性を指摘した。同時に 社協の学校における福祉教育への支援においては、従来の「ふだんのくらしのしあわせ」をキーワー ドとする福祉から、福祉の根底となる価値への接近、学習者も同時に課題の中にいるという教育福祉への拡大、社協として地域福祉の視点の重要性を明らかにした。