九州歯科学会雑誌
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第77回九州歯科学会総会・学術大会(2017)シンポジウム「デジタルデンティストリーの現状と今後の展望」:3Dプリンタの歯科分野での応用
一志 恒太
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2017 年 71 巻 p. s7

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抄録
歯科におけるデジタル化は、CAD/CAM装置を応用した歯科補綴治療のオールセラミッ ク修復を中心に、有効な手段として多く報告されています。また、歯科技工操作において は鋳造法から切削加工法へのパラダイムシフトが進行しています。  近年では3Dプリンタを用いた積層造形法における歯科での活用の可能性を示唆した報告 がされております。3Dプリンタの歯科分野での応用は、口腔インプラント治療におけるイ ンプラント埋入位置の立案材料である顎骨模型や手術時に使用する外科用ガイドプレー ト、歯科矯正治療に使用するマウスピース、歯科補綴装置における鋳造用パターンの製作 が代表される応用です。海外では総義歯への3Dプリンタの臨床応用がすでにされています。 しかし、日本国内の現状としては、薬事認可された材料の種類が少ないこと、歯科専用機 器の価格が高価機種のみであること、歯科業界での研究報告が少ないことなどの問題があ げられ、一般化されるまでにもう少々時間がかかると考えられます。  3Dプリンタの研究開発の歴史は、1980年に小玉氏の光硬化性樹脂を用いた光造形法での 特許出願が世界的な初まりであり、翌年11月に論文で報告されています。1986年にはHull 氏が3D Systems社を設立し、世界初の3Dプリンタの商品化に成功しました。現在では機 器や使用材料の開発が進み、宇宙開発業界、建設業界、医療業界、衣類業界、食品業界な どの多くの分野で応用されています。機器の価格も数万円から数億円と様々な種類の選択 が可能であり、造形方法も次々に開発され、世界的に大きな注目を集めているIT機器であ ることが伺えます。  昨今、コンピュータの性能が向上したことにより、CAD/CAM用に使用されているサー フェスモデルのみならず、CTやMRIなど情報量の多きいボリュームデータやソリッドモデ ルを使用できる設計ソフトウェアが製品化されており、3Dプリンタの可能性も広がりまし た。福岡歯科大学医科歯科総合病院ではソリッドモデルをコントロールできるGeomagic Freeform Software®(3D Systems社)を所有しており、複合的な設計をコンピュータ上で行 い、3Dプリンタで造形物を製作することが可能になりました。今回、当大学病院における 3Dプリンタの活用事例や造形方法による特徴を示すとともに、3Dプリンタにおけるこれ からの歯科での新たな応用を含めた講演内容にしたいと思います。
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