抄録
本研究の目的は社会福祉施設での介護等体験が参加した学生の障害者への態度の変化に与える影 響を明らかにすることにある。そのために、介護等体験に参加した 10 名の学生を対象とし、介護等体 験前後にFUMIEテストを実施し障害者の潜在的態度の変化を測定した。また、質問紙調査により障害 者との接触経験と障害者に対する顕在的態度を、聞き取り調査により介護等体験による障害者への態 度変化を尋ねた。結果、介護等体験前後での障害者に対する潜在的態度に変化はみられなかったが、事 前の潜在的態度が否定的な場合や援助経験やボランティア経験がない場合に、潜在的態度が肯定的に 変化していた。また、聞き取り調査の結果から、「障害者も普通の人と変わらない」とする障害者への 態度が生成していることが示された。このような態度は、国連障害者権利条約や障害者差別解消法のお ける障害者観と共通する部分があり、今後の介護等体験の効果を検討する上で参考となる。