抄録
本研究の目的は、サービス活動の現場で直面する問題を通じて、より大きな社会の構造的問題(マクロな問題)に目を向けさせるリフレクションの方法を検討することである。このことによって、政治的主体を育成することを主眼に置くシティズンシップ教育においてサービス・ラーニングを位置付ける場合の方法論的示唆を提供できると考えた。
先行研究の整理と事例の比較分析から以下のような示唆を導いた。まず、シティズンシップ教育の方法としてサービス・ラーニングを実施する場合、マクロな視点から構造的な問題に目を向ける事前指導とリフレクションが重要となること。加えて、サービス・ラーニングの現場で経験するミクロな問題と社会の構造的問題とを繋ぐことのでき、現場の事情も熟知しかつ社会の構造的問題にも明るいインストラクターが継続的に関わることが重要だと示唆された。これらのことを明らかにした点が本研究の成果だといえる。