生命倫理
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日本におけるクローン胚問題についての疑問(第15回日本生命倫理学会年次大会シンポジウム)
塚田 敬義
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2004 年 14 巻 1 号 p. 52-55

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抄録
『ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律』は、「特定胚」の医学的有用性に着目して、胎内への移植を禁じた上で、厳重な取扱いがなされる研究に道を開くのが目的である。法律と『特定胚の取扱いに関する指針』との整合性に、当分の間とはいえ問題が生ずる。ES細胞、組織幹細胞そして、人クローン胚等が三位一体として研究対象にならなければ、それらの有効性と安全性の評価はできない。再生医療の研究は、生殖細胞、胚、胎児といった特異的な性格を有する細胞を使用しなければ成立しない。再生医療の医学的有用性に着目し、国家戦略の一翼を担う以上は、着実なる研究の進展を支える対応が求められる。その成果は、社会に還元されるのである。
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2004 日本生命倫理学会
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