2023 年 33 巻 1 号 p. 41-50
目的:看護師の道徳的行動を起こすmoral strengthを構成する要素と要素間の関係性を明らかにし、本概念を可視化する。
方法: 各分野の専門看護師等14名に面接調査を行い、質的帰納的に分析した。
結果:看護師の道徳的行動を起こすmoral strengthは【患者の意思を尊重する】【患者がよりよく生きることを支援する】【患者と家族の結びつきを支援する】という<患者中心の考え方>が基盤となり、【問題に向き合う覚悟がある】【自分の職責を果たす】【自分の信念を貫き周囲に屈しない】【一歩を踏み出す勇気がある】【ひたむきに取り組む根気がある】という<道徳的な姿勢>や【患者と家族から動かされる】という<道徳的な応答>が力となっていた。
結論:看護師のmoral strengthの構造として<患者中心の考え方>が意志や意欲を規定し、<道徳的な姿勢>などの複数の要素がその働きを強めていた。