生命倫理
Online ISSN : 2189-695X
Print ISSN : 1343-4063
ISSN-L : 1343-4063
依頼論文
生命倫理学と障害者差別の解消
-配慮と対話の交錯-
川端 美季美馬 達哉Miki KAWABATATatsuya MIMA
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 35 巻 1 号 p. 4-12

詳細
抄録

 本報告は、第36回日本生命倫理学会におけるシンポジウム「生命倫理学と障害者差別の解消:配慮と対話の交錯」の報告をもとに、障害者差別の解消に向けた合理的配慮の理念とその実践上の課題を多角的に考察するものである。松井彰彦氏は、社会の慣習や規範が障害を形成する構造をゲーム理論の視点から論じ、合理的配慮を社会のルールの再設計として捉え直す必要性を指摘した。稲原美苗氏は、障害のある当事者としての現象学的経験に基づき、大学における支援体制の課題と、当事者との対話による支援設計の重要性を提起した。障害を社会モデルの観点から捉え、当事者との対話を通じて合理的配慮や支援の枠組みを再構築していくことが、インクルーシブで持続可能な共生社会の実現にとって不可欠であることが示された。こうした点を踏まえ大学が地域と連携し、全構成員を対象とした包摂的な支援体制を構築することの重要性も論じた。

著者関連情報
日本生命倫理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top