日本クリティカルケア看護学会誌
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研究報告
救急部で勤務する看護師の臨床判断の実態および救急経験年数と所属施設の救急医療体制との関連
江口 秀子明石 惠子
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2017 年 13 巻 3 号 p. 49-60

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抄録
 本研究の目的は救急部に勤務する看護師の臨床判断の実態および救急経験年数と救急医療体制との関連を明らかにすることである.独自に作成した質問紙による5段階評価の実態調査を行い,663人から回答を得た(有効回答率44.7%).【臨床判断内容】は『緊急性に関する判断』『ケアや治療に関する判断』の実践頻度が高く,『連絡調整に関する判断』『患者心理と家族に関する判断』は低かった.【判断に用いる情報・手がかり】では『患者情報』『他者からの情報』が高かった.臨床判断と救急経験年数の比較では,チームリーダー群・スペシャリスト群がビギナー群・スタンダード群と比較して【臨床判断内容】【臨床判断の局面】【臨床判断に必要な能力】得点が有意に高かった.さらに救急医療体制と関連では,二次救急施設が全次型・三次救急施設と比較して,【臨床判断内容】の『ケアや治療に関する判断』『緊急性に関する判断』得点が有意に低かった.スタンダード群の臨床判断の向上と二次救急施設に勤務する看護師の緊急性に関する判断能力の育成が課題である.
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© 2017 日本クリティカルケア看護学会
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