日本クリティカルケア看護学会誌
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研究報告
集中治療領域における終末期医療に関する医師・看護師の認識
片山 香山口 恵美井上 ゆみ永井 庸央
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2020 年 16 巻 p. 28-40

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抄録

 本研究の目的は,集中治療領域における終末期医療に関する医師・看護師の認識を明らかにすることである.医師・看護師各8名を対象に半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した.結果,医師の認識として【患者の尊厳を大切にする】【集中治療によい看取りという概念はない】【医療チーム全体で方向性を統一し,それぞれの役割を果たす】など10のカテゴリー,看護師の認識として【患者のその人らしさを大切にする】【家族へのかかわりを大切にする】【医師とのコミュニケーションが取りにくい】など9のカテゴリーが抽出された.医師・看護師ともに,患者の尊厳やその人らしさ,家族へのかかわりを大切にするという専門的価値を実践の核と認識していた.しかし,【DNARの意味を自分なりに認識している】ことと,医療チーム内でのコミュニケーションのあり方が影響して,医師・看護師ともに認識のずれを感じていた.

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© 2020 日本クリティカルケア看護学会
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