日本クリティカルケア看護学会誌
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原著
クリティカルケア領域における看護師のワーク・エンゲイジメントと職場サポート,職場コミュニティ感覚および自律性の関連
渡邉 成美金子 あけみ松本 和史
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2020 年 16 巻 p. 85-93

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抄録

 本研究の目的は,クリティカルケア領域における看護師のワーク・エンゲイジメントと職場サポート(上司),職場サポート(先輩),職場コミュニティ感覚および看護師の自律性の関連を明らかにすることである.クリティカルケア領域(ICU,HCU,CCU,救急外来・救命救急センター)に勤務する2年目以上の看護師262名を対象に横断研究を行った.調査内容は基本属性,ワーク・エンゲイジメント,職場サポート(上司および先輩),職場コミュニティ感覚, 看護師の自律性であった.有効回答は151名(57.6%)であり,ワーク・エンゲイジメントは,一般女性や一般病棟看護師と同レベルであった.重回帰分析によりワーク・エンゲイジメントとの有意な関連を認めた要因は,職場コミュニティ感覚(β=0.28),自律性(β=0.24),既婚(β=0.22)であった.以上より,ワーク・エンゲイジメント得点は職種および部署による差異はなく,クリティカルケア領域において良い人間関係やコミュニケーションを築くこと,役割遂行などの自律性を高める働きかけにより,ワーク・エンゲイジメント向上につながる可能性が示唆された.

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© 2020 日本クリティカルケア看護学会
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