日本クリティカルケア看護学会誌
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原著
生命の危機的状態で初療室に救急搬送された患者の家族がたどる代理意思決定のプロセス
上澤 弘美中村 美鈴
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2020 年 16 巻 p. 41-53

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抄録

 本研究の目的は,生命の危機的状態で初療室に救急搬送された患者の家族がたどる代理意思決定のプロセスを明らかにすることである.研究参加者15名に対して半構造化面接法を実施し,事例-コード・マトリックスを参考に分析を行った.

 分析の結果,生命の危機的状態で初療室に救急搬送された患者の家族がたどる代理意思決定は【突然の出来事に対する衝撃と不安】【記憶を消失するほどの混乱】【さまざまと思い浮かべて患者の意思を推し量る】【困難のなかで決断に向き合わざるを得ない】【成果がみえない患者の姿に気持ちが揺らぐ】【治療結果としての患者の状態に左右される代理意思決定への思い】の6つの概念的カテゴリで構成されていた結果から,看護師は家族の代理意思決定のプロセスを理解し今どの段階にいるのかを見極め,その時点で必要な支援のあり方を創出するなどの看護実践を検討することが示唆された.

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© 2020 日本クリティカルケア看護学会
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