2021 年 17 巻 p. 80-88
本研究の目的は,手術室看護師の看護実践能力評価尺度を開発することである.日本手術看護学会の手術看護師の臨床実践能力の習熟度段階に基づき,看護実践能力評価尺度を作成し,手術看護経験5年以上の看護師に質問紙調査を実施した.対象者857名を分析した.分析は,項目分析,探索的因子分析,相関係数,Cronbachʼs α係数にて信頼性および妥当性を確認した.因子分析の結果,手術室看護師の看護実践能力は【器械出し看護実践】【外回り看護実践】【教育と管理】【研究】【倫理】の5因子33項目で構成された.尺度全体のCronbach's α係数は.97であり内的整合性が得られた.既知集団妥当性の検証では,手術看護経験年数の高群と低群の比較において,高群のほうが,有意に看護実践能力が高かった.手術室看護師の看護実践能力評価尺度は33項目5因子の構造を認め,概ね信頼性と妥当性を有していた.