2023 年 19 巻 p. 172-183
目的:COVID-19重症・中等症患者の看護実践における困難の実態を明らかにする.
方法:COVID-19重症患者の看護実践を行った看護師5名,COVID-19中等症患者の看護実践を行った看護師6名の計11名に面接調査を実施し質的記述的に分析した.
結果:COVID-19重症患者の看護実践における困難は【明確な治療戦略が確立していないなかでの看護ケアのもどかしさ】等の6カテゴリー,COVID-19中等症患者の看護実践における困難は【隔離環境下において患者に接近できないことに伴うケア介入の難しさ】等の5カテゴリーが生成された.【感染する危険を抱えながら実践する看護ケアの恐怖】等は共通した困難であった.
結論:COVID-19重症・中等症患者の看護実践では,感染する恐怖や心身の負担など多岐に渡る困難が生じており,更に患者の重症度により看護師の困難に相違があることが明らかになった.