2023 年 19 巻 p. 219-233
本研究は,タスクシフト/シェアにより変化する救急外来における急性・重症患者看護専門看護師(CCNS)の実践を明らかにすることを目的とし,CCNS 11名に対し半構造化面接を行い,M-GTAを用いて分析を行った.結果は,【救急患者の利益を看護の側面から追求し続ける】というCCNSとしての基盤や,【CCNSの本質を見失うことなく組織の最適化を模索する】などのタスクシフト/シェアが持つ意味の探求,【再構築の真っただ中にあってもチームで救急患者を救えるように多職種間の潤滑剤となる】などの行為から導き出された行為からなる11カテゴリー2コアカテゴリーを見出した.CCNSは,自らが持つ能力や役割を生かし,CCNSの本質と変革者としての姿勢を見失うことなく,変化する救急医療体制において着実に働きかけ,ケアとキュアが融合した救急看護の提供へと導いていた.