2009 年 29 巻 1-2 号 p. 81-87
私たち歯科技工士が日々製作する補綴物にはいくつかの要件があるが,その中でもスポットライトの当たり方には多少なりの差があり,審美的な要素に注目が集まることは否めない事実である.しかし,その審美性を長期的に安定させ,その他の要件としてのさまざまな機能の回復,改善を実現するための形態を付与することは必要不可欠である.その中でも「咬合」に関する事項は最重要と考える. 本稿では,第一大臼歯咬合面形態の設計において,とくに製作する歯牙(支台歯,インプラント)の位置が正常でない場合の留意点について記したい.