本稿では,小学校教師が,「日常生活における知識として重要」及び「授業において扱う(教える)ことが困難である」と捉えている小学校理科の学習内容をそれぞれ明らかにすることから,これからの科学教育課程へ向けての提言を行うことを目的とする.具体的には,戦後改定された各小学校学習指導要領理科から267項目の学習内容を抽出し,「日常生活における知識として重要」及び「授業において扱う(教える)ことが困難である」という2つの観点から,それぞれ質問紙を作成した.これらの質問紙を用いて小学校教師に対して調査を行った結果,重要度が高く,かつ指導困難度が高い内容は,現行の学習指導要領では扱っていないA区分の人体に関するものと,C区分の天体に関するものが中心であった.