日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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原著
超短波がラット脛骨チタンインプラントのオッセオインテグレーションに及ぼす影響
西村 翼
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2012 年 32 巻 3 号 p. 249-256

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抄録
超短波をメカニカルフォースとして用いた場合,チタンインプラントのオッセオインテグレーションにどの様な影響を及ぼすかを調べることを目的に,ラット脛骨を用いて形態学的ならびに物理学的に解析した.エーテル麻酔下の10 週齢雌ラット両側脛骨に円筒形のチタンインプラント(直径1.19mm ×長さ 1.5mm)を埋入した.術後1 日目より左側脛骨埋入部に皮膚上より3cm の距離から超短波(ピーク出力132W,平均出力44W,照射時間20 分)にて週 3回照射を行い Ultra short wave 群(以下 USW 群)とした.また反対側には照射を行わず対照群とした.その後1,2,4 週にラットは 2 群に分け,1 群はトルク試験,他の1 群は軟エックス線写真撮影後,EDTA にて脱灰,通法に従い脱水,パラフィン包埋をし,切片を作製,H-E 染色および TRAP 染色を行った.トルク試験では, 2,4 週目において USW 群で有意に高いトルク値が認められた.軟エックス線写真所見では, 2,4 週目で USW 群により多くの不透過像が認められ,H-E 染色像では,2,4 週目ともに,対照群と比較して USW 群のインプラント体周囲に幼若骨の形成が多く認められた.TRAP 染色では, 4 週目の USW 群では,インプラント体に接触している新生骨表面に多数の多核巨細胞が認められた.TRAP 陽性細胞数は USW 群において多く,術後4 週目においては有意差が認められた.超短波がインプラント治療における骨とチタンインプラントとのオッセオインテグレーションに対して応用可能であることが示唆された.
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© 2012 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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