抄録
従来,反対咬合の早期矯正治療症例に対して,筋機能訓練装置(ムーシールド)が用いられており良好な経過が報告されている.本論文ではムーシールド治療患者12 症例についての成長発育変化を検討した.矯正治療中の反対咬合患者のうちムーシールドで被蓋の改善をしたものについて年間成長発育量を算出し平均値における評価を行った.さらに典型症例の供覧を行い,治療効果について検証した.成長発育期反対咬合12 症例において良好な治療結果が示された.すなわち,坂本のプロフィログラムより導き出された年間成長発育量の評価結果より12 症例の平均値において全症例とも下顎骨の成長抑制効果が認められ良好な上下顎骨の位置関係の改善が認められた.ムーシールドは反対咬合者の年間成長発育量において治療効果があり,下顎骨の成長が若干抑制され有用である可能性が示唆された.今後, 成長発育を詳細にみていく必要があり,下顎骨の晩期成長に関して今後さらなる追求と症例数の追加を行っていく予定である.【顎咬合誌 33(1・2):17-22,2013】