抄録
この症例は咬み合わせ不良を訴えサードオピニオンで来院された患者である.一見問題のないように見え不定愁訴だと捉えがちな症例でもある.しかし患者さんの話には何らかの機能異常の根拠があるはずだという視点で形態に表われた異常を精査すると患者の訴えが理解でき,病態の理解を患者と共有できた.そこでその原因を考察し,原因にかかわると思われた不良補綴物を除去してプロビジョナルレストレーションに置き換えた.患者が訴えるしびれなどの不快感はプロビジョナルレストレーションにおいてほぼすべて解消した.現在治療終了直後ではあるが良好な経過を得られた1 例を報告する.【顎咬合誌 34(1・2):38-49,2014】