2017 年 37 巻 1-2 号 p. 50-
総義歯や遊離端義歯の維持安定を図るためインプラントオーバーデンチャーの臨床応用が国内外で多数報告されている.無歯顎患者のQOL 向上に寄与する治療方法であるが,長期経過症例の報告は少なく臨床成績はいまだ未知数である.今回,上顎に総義歯,下顎に3 のみ残存の下顎遊離端義歯の症例に対し,下顎義歯の維持安定を目的に4 本のインプラントを埋入し,支台装置として磁性アタッチメントを採用したインプラントオーバーデンチャー(以下IOD)を応用し咬合状態の安定を図った.対合の上顎総義歯の前歯部にはフラビーガムが存在している.IOD により下顎遊離端義歯の沈下を最小限にとどめ,下顎前歯の上顎前歯部へのかみ込みを是正することで5 年7 カ月の間フラビーガムを含むコンビネーションシンドロームを回避でき,良好な結果を得たので報告する.