2017 年 37 巻 3 号 p. 210-214
上顎臼歯部では骨質が劣るなだけでなく,抜歯後の骨吸収や上顎洞の含気化により骨量が不足している場合が多い.そのため,インプラントの十分な骨内長を上顎の臼歯部に確保できることは少ない.術前の骨の高さが10mm 未満のとき,既存骨に裏打ちされたインプラントの安定は得にくいが,外科的に上顎洞底を挙上することにより,補綴学的に理想的な位置にインプラントを埋入することが可能となる.上顎洞底挙上術でもっとも一般的な方法はラテラルウィンドウテクニックとソケットリフトであり,最近は手術侵襲が小さいソケットリフトが見直されてきている.今回京都インプラント研究所所属の4 施設において1992 年から2011 年までに来院した患者でソケットリフトを施術した150人,181本を調査対象とし,臨床的評価を行った.ソケットリフトは多くの補綴様式にも応用され,同時に今回の研究では10 年以上経過した症例で96.7%と良好な残存率を示したため,臨床的に有効と考えられた. 【顎咬合誌 37(3):210-214,2017】