日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
歯科パノラマエックス線写真におけるコンピュータ診断支援システムの臨床的評価
神田 省吾江原 雄二大西 吉之咲間 義輝荒井 昌海桑原 明彦山上 哲贒
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2019 年 39 巻 1-2 号 p. 15-20

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抄録

わが国の骨粗鬆症患者は,約1,200 万人と試算されている.しかし,骨粗鬆症の検診率は5%と低く,多くは潜在患者である.そこで歯科受診患者に対する歯科パノラマエックス線写真(以下DPR)を利用して,骨粗鬆症のスクリーニングをすることが提案されている.私たちは,画像解析ソフトウェアを応用した診断支援システムを用いてDPR により,下顎骨皮質骨指数(mandibular cortical index)と下顎骨下縁の皮質骨の厚み(mandibular cortical width)を調べ,骨粗鬆症のリスクを3 段階に分けて判定した.本研究に同意を得た45 歳以上の歯科受診 患者176 人(平均年齢62.18 歳)について,高いリスクをもつ者18 人,やや高いリスク68 人,低いリスク90 人で,50 歳以上の患者で年齢が高くなるにつれてリスクの高い患者の比率が高いことが明らかになった.リスクの高い患者には,骨粗鬆症専門医の受診を勧奨し,3 カ月後に2 人の受診が確認できた.【顎咬合誌 39(1・2):15-20, 2019

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© 2019 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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