日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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特別寄稿
高機能な総義歯製作のための歯科医師の役割
相澤 正之
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2024 年 44 巻 1 号 p. 46-51

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抄録

患者の満足を得た上下無歯顎患者に対する総義歯製作症例を通して,印象採得,咬合採得,試適時の歯科医師と歯科技工士の連携について述べる.総義歯製作における歯科医師と歯科技工士の役割分担は法律上の取り決めにより,歯科医師が検査,診断,印象採得,咬合採得,設計,指示,歯科技工士が歯科医師と共有した情報および与えられた条件下において人工歯排列,歯肉形成,重合,咬合調整を行うのが一般的である.まず下顎の印象採得では,患者の機能運動を利用した辺縁形成後,頰小帯,モダイオラス部研磨面まで含む3 次元的トリミングと舌側床縁S 字カーブのくびれを誇張した床縁内外のトリミングが重要である.また印象後の転覆試験や咬合採得における印象との3次元的一体化は排列位置の情報となる.排列や歯肉形成に関する情報量が豊富であれば,高機能な義歯の製作につながる.試適時には,まず設定された咬合平面の確認を行うが,発音への支障や咀嚼時の頰舌の生理的協調運動を円滑にするため,左右同高で安静時の舌背よりやや低い高さを指標としている. 【顎咬合誌 44(1):46-51,2024

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