日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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高齢者歯科診療とその留意点
山口 雅庸平野 浩彦
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2001 年 21 巻 3 号 p. 286-297

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抄録

本文では前半で歯科診療上留意すべき内科疾病の管理について, 後半で歯牙喪失後の栄養と健康の問題を取り上げた.すなわち, 高齢者の歯科治療において管理しなければならない疾病として, 脳梗塞, 高血圧, 感染性心内膜炎などがある.脳梗塞例では抗血栓療法が行われていることが多く, 歯科手術における止血管理が課題となる.高血圧では予後を定量化するためのリスク因子と層別化の概念が重要である.感染性心内膜炎は齲蝕や歯科診療が発症因となることがすでに指摘されており, 予防が重要である.一方, 歯牙の機能喪失後, 咀嚼困難の問題が起こる.歯科保健の分野では「8020運動」が推進され, 国民の間にも歯科保健のスローガンとしてかなりの認知度を得ている.本運動の目的は, 「自分の歯で咀嚼する能力の維持」にある.本文では疫学調査の結果に基づき, 咀嚼能力と口腔内現症との関係, 栄養, 全身状態との関係, および咀嚼能力を維持する要因について述べる.

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