日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
Online ISSN : 1884-8230
Print ISSN : 1346-8111
ISSN-L : 1346-8111
睡眠時無呼吸症候群に対する歯科的アプローチ
日暮 尚樹
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 21 巻 3 号 p. 312-315

詳細
抄録

睡眠時無呼吸症候群 (SAS) とは, 寝ている間に呼吸が止まってしまう病気で, 睡眠中に呼吸停止があると様々な疾患を引き起こすといわれている.アメリカ合衆国における睡眠呼吸障害の分野では歯科の位置が確立しており, 医科との連携のもとに多くの歯科的治療がなされている.しかし, 日本においては, 睡眠呼吸障害における歯科分野の参加はまだ少ない.本稿ではSASに対する歯科医師の役割について報告する.
SASにおける歯科医師の役割の一つとしては, 顎顔面形態の診断があげられる.SASの診断にとって, 側面頭部X線規格写真 (セファロ) により顎顔面形態を診断することも重要である.SAS患者の顎顔面形態の特徴は, (1) dolico facial pattern (長顔型) , (2) 舌骨の低位, (3) 上顎は正常な位置にあるのに対して下顎は後退している, (4) 軟口蓋が長い, (5) 気道が狭い, などである.また, セファロによりアデノイドの存在や口蓋扁桃肥大もわかるので, 気道の閉塞原因を推測することも可能である.
もう一つのSASにおける歯科医師の役割としては, oral appliance (OA) による治療があげられる.OAは2種類に分類され, 一つは, 下顎に前方位をとらせ, その位置を保持するsleep splintタイプと, 舌の前方位を保持するtongue retaining device (TRD) がある.いずれも, 後退している下顎や舌を前方に保持して, 気道の開大を図る目的がある.ただし, OAは, 適応症, 下顎の前方突出量, 作用機序など明確になっておらず, それらを明確にしていく必要がある.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本顎咬合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top