日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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ペリオ由来フィステルにおける新しい治療法“PFゾーン法 (ポケット・フィステルゾーン法) ”の紹介
星河 晴美綾野 通哉渡部 康子出縄 かおる佐藤 公美子山中 みふね及川 美妙子小沢 季子中村 昭二松久保 隆
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2006 年 26 巻 3 号 p. 297-303

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抄録
通常, ペリオ由来のフィステルが発症した場合は, 外科的処置や薬物投与によることが多いが可能ならばこれらの処置は最小限にしたいものである.そこで歯科医師の指導下, 歯科衛生士業務の範囲内において, 非麻酔下でフィステルおよび歯周ポケットからプラスチックプローブを挿入しフィステルの発現部位を診査したところ, 双方一致するゾーン (PFゾーン: ポケット・フィステルゾーン) の存在が判明した,
さらに, フィステルおよび歯周ポケットからプラスチックプロービングを行なった後, 改良した既製のインストルメントをPFゾーンに挿入し, スケーリング・ルートデブライドメント・イリゲーションを行なった.その結果, 難治療であったペリオ由来のフィステルが容易に改善し, さらに原因歯を失活させることなく「骨再生」も生じた.これらのことから, PFゾーン法によるペリオ由来フィステルへの臨床的有効性を確認した.このPFゾーン法は何よりもプラスチックプローブの使用が重要なポイントとなる.
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