日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
過疎地域に暮らす配偶者を亡くした女性高齢者の死別後の体験
白川 あゆみ
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2009 年 11 巻 2 号 p. 87-92

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抄録

目的:過疎地域に暮らす配偶者と死別した女性高齢者の死別後の体験を明らかにし,地域における支援について検討すること.方法:過疎地域に暮らす65歳以上で,配偶者を亡くした女性高齢者5名に,死別後の体験について半構成的面接を行い,データの収集,質的分析を行った.結果:〈一人暮らしになり将来の健康を案じる〉という思いがある一方で〈何かあれば将来,村の福祉サービスを利用したい〉という思い,〈夫が行っていた役割もすべて自分の肩にかかってきて大変である〉という思いがある一方で〈夫が行っていた役割を継承していくことが生きがいであり支えである〉という思いを,また〈交流に気遣いをするという思い〉がある一方で〈同年代との人たちとの交流を楽しむという思い〉が語られた.考察:高齢化が高い過疎地域に暮らす女性高齢者に対しては,基本的には現在行われていることを継続,さらには補強し,〈何かあれば将来,村の福祉サービスを利用したい〉〈夫が行っていた役割を継承していくことが生きがいであり支えである〉〈同年代との人たちとの交流を楽しむという思い〉の,肯定的側面がより強化されていく支援が必要と考えられた.

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© 2009 一般社団法人 日本地域看護学会
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