日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
住民組織活動の継続に影響する要因 : 東京都A市における「子育て世代市民ワーキングチーム」の活動に焦点をあてて(地域看護活動報告)
笠井 真紀河原 加代子
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2009 年 12 巻 1 号 p. 72-79

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抄録
目的:住民組織活動の活動過程においてチームメンバーが活動を継続させている要因を明らかにし,今後の活動を支援するための示唆を得る.方法:住民組織である子育て世代市民ワーキングチームのメンバーのうち,研究協力者7名に半構成的面接によるグループインタビュー調査を実施し質的機能的に分析を行った.結果:メンバーの活動を継続させている要因として,『育児支援の必要性を感じた経験』『活動の継続につながった契機』『自分自身の意識の変化』『チームの成長』『チームのめざす姿』の5つのカテゴリが抽出された.考察:メンバーは自分の育児や周囲の育児状況により活動の必要性を感じて活動を継続し,そのなかでメンバーの意識は変化し,協働への理解も深まっていた.さらに,メンバーがエンパワメントしたことによりチームとしての成長や今後の課題が明らかになり,活動の継続に影響を及ぼしていたことが明らかになった.結論:保健師は住民の組織活動においてファシリテーターとなり,メンバー間での意見をまとめ役割分担や関係機関との連絡調整を行い,つながるための役割をとることで,チームの主体的な活動を継続的に支援することができる.
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© 2009 一般社団法人 日本地域看護学会
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