抄録
目的:地域包括支援センター職員が,民生委員,町会・自治会,ミニデイ・サロン,高齢者クラブといったインフォーマル組織とのネットワークを構築していくうえで活用可能なチェックリストの作成を目的とした.方法:地域包括支援センター職員へのインタビューによる予備調査の結果と,インフォーマル組織とのネットワーク構築を促進するためのプログラムで実施したグループワークで出た意見を基に,チェックリストのアイテムプールを作成した.アイテムプールの中から項目を選定し,チェックリストを作成した.チェックリストの内容と使用方法は,3つの方法を経て地域包括支援センター職員に確認してもらい,妥当性の確保に努めた.結果:予備調査の結果,インフォーマル組織とのネットワーク構築過程には3つの段階性があると考えられた.予備調査とグループワークの結果を基に作成されたチェックリストは,4つのインフォーマル組織ごとにStage I〜IIIの3段階とし,それぞれ17〜23項目が含まれた.結論:今後,チェックリストの実用可能性や妥当性の検討を十分に行っていく必要があるものの,実践活動上の意義が高いチェックリストが作成された.