日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
地域活動参加に至った生活習慣病ハイリスク者の健康・生活に対する意識の発展過程
今松 友紀佐藤 紀子宮﨑 美砂子
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2012 年 15 巻 1 号 p. 79-88

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抄録

目的:生活習慣病予防教室終了後,地域活動参加に至った生活習慣病ハイリスク者の健康・生活に対する意識の発展過程を明らかにし,その特徴を考察することにより,生活習慣病ハイリスク者の意識の発展を促す効果的な支援方法への示唆を得ることである.方法:自治体が実施する生活習慣病予防教室を終了したのち,地域活動へ参加し始めた地域住民を対象に,半構成的面接法によるインタビュー調査を実施し,その内容を質的帰納的に分析した.結果:15人の研究対象者から得られた生活習慣病ハイリスク者の健康・生活に対する意識の発展過程は,「第1期:無自覚期」「第2期:健康・生活の改善模索期」「第3期:周囲・地域の健康・生活に対する意識発展期」の3期からなっていた.第1期は【無認識・知識不足】【自分の生活の内省・改善の必要性の自覚】等のカテゴリー,第2期は【自分に合った改善方法の模索】【元の生活への名残惜しさとの葛藤】等のカテゴリー,第3期は【生活のコントロール感と人生への自信】【周囲の健康問題への関心】等のカテゴリーから構成されていた.考察:生活習慣病ハイリスク者の健康・生活に対する意識の発展過程は,改善の必要性の自覚を基盤とし,改善による身体的変化に対する喜びの実感を起点に周囲・地域の健康・生活に対する意識が出現するという特徴を有していた.

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© 2012 一般社団法人 日本地域看護学会
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