日本地域看護学会誌
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Print ISSN : 1346-9657
婚姻状況別にみた農山村地域の中年期男性の食生活の特徴と支援の必要性
関根 綾希子村山 洋史田口 敦子有本 梓村嶋 幸代
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2012 年 15 巻 1 号 p. 99-108

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抄録

目的:農山村地域の中年期男性の食生活の特徴を婚姻状況別に把握し,更に非婚者に焦点を当て世帯構成と食事支度者別に比較し,支援への示唆を得る.方法:新潟県A市に居住する40〜64歳の男性6,452人を対象に無記名自記式質問紙調査を郵送で実施し,基本属性,健康関連要因,食生活要因(栄養養摂取を評価するバランススコア,食べ方等を評価する食生態スコア,食事支度者の有無等の食環境)をたずねた.結果:2,514票を有効回答とし(有効回答率39.0%),うち非婚者は376人(15.0%)であった.既婚者は非婚者に比してバランススコア,食生態スコアが有意に高かったが,両群ともに得点は低かった.非婚者を世帯構成と食事支度者で3群に分けたところ,「A群:同居世帯・食事支度は自分以外」は40歳代が多く,食事支度は母親・父親が多かった.「B群:同居世帯・食事支度は自分」はA群よりも年齢が高く,3割は家庭に要介護者がおり,自分で料理する頻度が高かった.「C群:単身世帯」は年齢が高く,治療中の病気が7割にあり,夕食に弁当や総菜を購入する割合が高く,A群に比べて食生態スコアが低かった.結論:農山村地域の中年男性の食生活は,婚姻状況にかかわらず働きかけが必要であった.非婚者では世帯構成,食事支度者別にみたとき,基本属性や家庭の状況,食生活を取り巻く環境に特徴があった.支援の際にはこれらの特徴を考慮することが重要である.

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© 2012 一般社団法人 日本地域看護学会
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