目的:農山村地域の中年期男性の食生活の特徴を婚姻状況別に把握し,更に非婚者に焦点を当て世帯構成と食事支度者別に比較し,支援への示唆を得る.方法:新潟県A市に居住する40〜64歳の男性6,452人を対象に無記名自記式質問紙調査を郵送で実施し,基本属性,健康関連要因,食生活要因(栄養養摂取を評価するバランススコア,食べ方等を評価する食生態スコア,食事支度者の有無等の食環境)をたずねた.結果:2,514票を有効回答とし(有効回答率39.0%),うち非婚者は376人(15.0%)であった.既婚者は非婚者に比してバランススコア,食生態スコアが有意に高かったが,両群ともに得点は低かった.非婚者を世帯構成と食事支度者で3群に分けたところ,「A群:同居世帯・食事支度は自分以外」は40歳代が多く,食事支度は母親・父親が多かった.「B群:同居世帯・食事支度は自分」はA群よりも年齢が高く,3割は家庭に要介護者がおり,自分で料理する頻度が高かった.「C群:単身世帯」は年齢が高く,治療中の病気が7割にあり,夕食に弁当や総菜を購入する割合が高く,A群に比べて食生態スコアが低かった.結論:農山村地域の中年男性の食生活は,婚姻状況にかかわらず働きかけが必要であった.非婚者では世帯構成,食事支度者別にみたとき,基本属性や家庭の状況,食生活を取り巻く環境に特徴があった.支援の際にはこれらの特徴を考慮することが重要である.