日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
在宅要介護高齢者援助における看護職の判断 : 保健婦と訪問看護婦による援助行為の理由から
二瓶 真由美成瀬 優知村山 正子
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キーワード: 看護職, 判断, 高齢者, 在宅ケア
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2000 年 2 巻 1 号 p. 44-50

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抄録

本研究の目的は,在宅要介護高齢者の援助において看護職が行う判断を,記述的に把握することである.本研究においては,判断を,看護職が在宅要介護高齢者に対して行った援助の判断理由と捉えた.対象は,同一事例を援助した市町村保健婦11名と訪問看護婦9名で,経験年数4年以上の者である.半構造的面接法により,事例に対して行った援助と,その援助行為の理由について語ってもらった.録音した面接内容から逐語録を作成し,援助行為の理由と行った援助とを結びつけた形でデータを抽出し,要旨をカード化した後,援助行為の理由をもとにカテゴリーに分類した.カード化した600件は,8カテゴリーに分類することができた.それは,(1)家族全員の健康を守る,(2)家族介護が継続される,(3)QOLを高める,(4)本人や家族の気持を重視する,(5)円滑な家族関係を構築し維持する,(6)社会資源を上手に使いこなす,(7)在宅ケアチームとして対応する,(8)より効果的な援助手段を見出す,である.これらから,高齢者の在宅ケアにおける看護職の援助行為は,援助目標に直結する理由,援助目標達成のための方法に関する理由,援助の効果性・効率性に関する理由により,判断されていることを確認した.

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© 2000 一般社団法人 日本地域看護学会
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