日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
研究報告
健康推進員活動における男性健康推進員の体験の特徴
二村 純子坂本 真理子若杉 里実
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2018 年 21 巻 1 号 p. 23-31

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抄録

目的:健康推進員活動における男性健康推進員の体験の特徴を明らかにし,男性健康推進員への支援方法の示唆を得ること.

方法:A県下において健康推進員組織等を設置している自治体にて2年以上の健康推進員活動経験を有している男性12人に,半構造化インタビューを行い,質的帰納的な内容分析を行った.

結果:健康推進員活動における男性健康推進員の体験の特徴は【女性が多い推進員活動への入りづらさ】【活動を前進させる力の自負】【責任を重んじる姿勢】【男女の強みを生かす活動運営】【行政とともに活動する意識】【推進員活動を通して生じる課題への直面】【人々が参加したいと思える活動の模索】【メンバーとのほどよい距離感】【人々との交流が健康に結びつく実感】【生活の変化の体感】【地域づくりに向けた視野の広がり】の11カテゴリーで構成されていた.

考察:男性健康推進員は,女性が多い推進員活動への入りづらさを感じながらも責任をもって活動を前進させる力を男性の強みととらえ,男女の強みを生かす活動運営のなかで発揮していた.男性目線で活動を模索し,人々との交流を通して健康を推進していけるという気づきを得ていた.推進員組織を支援する保健師は,男性健康推進員のもつ体験や思いを理解し,男性健康推進員のもつ強みが効果的に発揮できるよう,メンバー同士のよい関係づくりの促進や活動の原動力となる体験を意識化できるようなかかわりを意図的に行う必要がある.

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© 2018 一般社団法人 日本地域看護学会
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